サッカー経験者の方でしたら、一度は股関節を痛めた経験があるのではないでしょうか?
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、サッカー選手に多い股関節の痛みに「グロインペイン症候群」というものがあります。
グロインペイン症候群は、鼠径部痛症候群とも呼ばれ、その名が示す通り「足の付け根周辺の痛み」を引き起こす障害の総称です。
なぜ障害の総称なのかというと、痛みの本当の原因を特定することが難しく、鑑別障害としては、恥骨結合炎、大腿内転筋付着部炎、大腿直筋炎、腹直筋付着部炎、腸腰筋炎、鼠径ヘルニアなどが挙げられます。
グロインペイン症候群の原因として、直接的な打撲のみならず、オーバーユース(使い過ぎ)に伴う股関節周囲の筋力低下や柔軟性の低下によって、股関節周囲に炎症が起きてしまうと考えられています。
痛みに関しては、圧痛、運動痛、時に鼠径部や大腿内側、下腹部にまで放散する疼痛が特徴的です。
特に、膝を伸ばしたままの下肢挙上、下肢を横に開く外転動作で痛みが誘発されやすく、股関節の可動域制限、筋力低下も見られます。
グロインペイン症候群の治療は、一般的に保存治療が第一選択となります。
リハビリテーションの基本は、疼痛部位の局所安静の様子を見ながら、股関節周囲の筋力や柔軟性の改善を図っていきます。
また、全身をスムーズに動かす協調性の機能を向上させ、股関節の一部分に偏ったストレスが加わらないようにすることも大切となります。
個人的には、「血行を良くすることを目的」とした運動療法や適切な動作方法の獲得によって、損傷部位の早期回復を促すことが、予防も含めて最重要であると考えます。
肉離れやグロインペイン症候群に限らず、筋肉がマシュマロのように柔らかい赤ちゃんには、このような筋肉系のケガは存在しません。
「生涯サッカー」を続けるためにも、誰もが一度は経験した赤ちゃんのように柔らかい筋肉を目指していきましょう。
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