私は以前に整形外科の専門病院でリハビリテーションの外来担当スタッフとして勤務していたこともありますが、ほぼ全ての患者さんから「痛み」の訴えが聞かれます。
というか、普通は痛くなければ病院には来ないので当然ですよね…。
この「痛み」は非常に不快な感覚ですが、人間にとって本当に必要の無いものなのでしょうか?
結論からお話しすると、「痛み」は人間にとって必要不可欠なものです。
なぜなら「痛み」の1番の役割は、ケガや病気から体を守るという生命活動には欠かせないものだからです。
もし、人間に「痛み」という感覚が存在しなかったら、危険を察知できず大ケガにつながったり、重大な病気の前兆を見逃して取り返しのつかない事態になってしまうかもしれません。
しかし、全ての「痛み」 が、人間の生命活動を維持する上で必要なものではありません。
必要以上の長引く強い「痛み」は、体を守るどころか大きなストレスとなり、別の病気の引き金となることも少なくないからです。
この「痛み」は、その原因によって大きく以下の3つに分けられます。
① 炎症や刺激による痛み(侵害受容性疼痛)
② 神経が障害されることで起こる痛み(神経障害性疼痛)
③ 心理・社会的な要因によって起こる痛み
リハビリテーション分野では、侵害受容性疼痛へのアプローチが一般的ですが、神経障害性疼痛による「痛み」であっても、その程度によっては改善可能な場合もあります。
また、リハビリテーションを通しての人の温もりから、心理的要因による疼痛も緩和される可能性があるかと思います。
前述したように、「痛み」は人間の生命活動に欠かせないものであり、100%の悪者ではありません。
いわば「痛み」は、人間の体を守る交通信号機のようなものです。
信号が赤のまま横断歩道を渡ると大ケガするかもしれないのは、十分に想像がつきますよね。
「痛み」の本当の意味を理解し、異常な「痛み」は医師の診断を仰いだ上で、適切な治療を早期に行うことをお勧めします。
「生涯サッカー」を実現するためにも、一つしかないご自身の体は大切にしましょうね。
最後までお読みいただきありがとうございました!